ソニーのミラーレスカメラ用のレンズは、「Eマウント」という独自のレンズマウントです。しかし、ソニーの公式ホームページやソニーストアを調べていると、ある疑問が浮かびます。それは、全てのレンズに、「Eレンズ」と、「FEレンズ」という名前がついていることです。
カメラ屋さんなどを見ていると、時々「FEマウント」という名前も出てきます。ということは、EマウントとFEマウント、2つのレンズマウントが存在するということなのでしょうか?
FEマウントは存在しなかった
例えば、ソニーストアのレンズを見ていると以下のような2つのレンズが存在します。
- E 50mm F1.8 OSS
- FE 50mm F1.8
同じ50mmのレンズですが、頭文字は「E」と「FE」という名前がで分かれています。
結論から言えば、FEマウントというものは存在しません。α7など、ソニーのミラーレスカメラのマウントを調べてみると、FEマウントというものはどこにも存在しないことがわかります。
ソニーストアで表記されている「FE」というのは、「Eマウントで使えるフルサイズ用のレンズ」という意味だと思います。「FEマウント」ではなく「FEレンズ」という意味なんですね。
- Eレンズ.. APS-Cサイズ用のレンズ
- FEレンズ.. フルサイズ用のレンズ
- Eマウント.. ソニー ミラーレスカメラ用のレンズマウント
- FEマウント.. 存在しない
おそらく、「フルサイズ用 Eマウントレンズ」を略して「FE」と命名しているのだと思います。
時々、カメラ屋さんなどでFEレンズのことを「FEマウント用レンズ」と記載していますが、これは分かりやすくそういうふうに表記しているだけではないかと思います。
EレンズとFEレンズの違い
ややこしくなってきたので、もう一度整理します。
APS-Cフォーマット用に作られたレンズがEレンズ。フルサイズ用のレンズがFEレンズ。どちらも同じEマウントで、ソニーのミラーレスカメラ、αシリーズの全てのカメラに取り付けて使うことができます。
ただし、取り付けることはできても、APS-C用とフルサイズ用ではイメージサークル(レンズが捉えることのできる広さ)に違いがあります。この点は注意する必要があります。
フルサイズのカメラでEレンズを使うとどうなる?
ソニーのフルサイズ ミラーレスカメラに、APS-Cサイズの「Eレンズ」を取り付けることは可能です。しかし、EレンズのイメージサークルはAPS-Cサイズ用に設計されているので、フルサイズのセンサーには小さすぎます。
そのまま取り付けて撮影すると、イメージサークルに入りきらない四隅の周辺部が欠けてしまい、ケラレ(周辺部が黒くなる)が発生します。
ただし、ソニーのフルサイズミラーレスカメラには、APS-Cサイズのレンズを取り付けた時に、カメラ側で自動的にAPS-Cサイズに切り替える(APS-Cモード)機能が搭載されています。
このモードを使って撮影すれば、APS-Cサイズのレンズでもケラレが発生せず、APS-Cサイズのメージサークルで撮影できるのです。
FE レンズをAPS-Cサイズのカメラで使うとどうなる?
反対に、フルサイズ用のFEレンズを、APS-Cサイズのカメラで撮影するとどうなるのでしょうか?
この場合、特に何も問題は起こりません。ただし、フルサイズのイメージサークルでも、カメラ側はあくまでもAPS-C。映り込む部分はAPS-Cサイズに切り取られ、狭くなってしまいます。
まとめ 「FEレンズ」の表記の違い
結論として、実際には FEマウントというものは存在しないのですが、便宜上、FEレンズ(フルサイズ用のEマウントレンズ)のことを、FEマウントと表記していることが多くあります。
どちらのレンズも、マウント自体は同じものですので、取り付けることは可能、というふうに覚えておくと良いのではと思います。
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