ある大学の研究に、2017年の末ごろから3ヶ月ほど参加していました。その研究とは、マインドフルネス。
被験者としての僕の役割は、マインドフルネスを毎日実践すること。マインドフルネスの実践内容や効果については、そのうち機会があれば紹介していこうと思うのですが、今回はマインドフルネスを実践してみて改めて気がついたことを紹介してみます。
それは、マインドフルネスを実践していくと、「眠りにつきやすくなる」ということ。
過去にひどい不眠に悩んだ僕からすると、マインドフルネスは「快眠」にとても効果的だと感じました。不眠に悩んでいる方、寝つきが悪いという方は、ぜひマインドフルネスを実践してみることをおすすめします。
Contents
マインドフルネスは睡眠に役立つ
僕はマインドフルネスを実践し始めて半年ほどしか経っていません。しかし、半年間ほとんど毎日(サボった日もありますが)実践してきたおかげで、少しばかりマインドフルネスの効用を感じることができています。
マインドフルネスとは「今ここ」に集中する作業
マインドフルネスと言えば、「瞑想」。どのようなことをするのか、ここでは本筋とは逸れてしまうので、あくまで簡単に紹介します。
マインドフルネスの実践は、「今この瞬間に集中する」という作業。多くの方がイメージされるのは、静かに座って、呼吸に集中する「正座瞑想」の場面だと思います。
上の写真のように目を瞑り、あぐらをかいて、静かな場所でじっと正座しているシーンです。あれは正座瞑想と言います。
この時、普段は意識しない「呼吸」に意識を集中します。今この瞬間に行なっている「呼吸」に意識を集中することで、自分の意思とは無関係に思い浮かぶ「考え」や「雑念」に気付く訓練をするのです。
ワークショップでは、無意識に生み出される思考に囚われてしまうことを、自動思考と呼んでいました。マインドフルネスを実践していくと、まさに自動的に、自分の意志とは無関係な思考が次から次へと頭の中に思い浮かんでいくことが分かるようになります。
自動的に生み出される思考に気付き、思考に囚われないようにすることで、普段の生活を送る上でも感情や行動をコントロールしやすくなるはず。この訓練を長く続けていると、仕事や作業の集中力の向上にも役立ちます。
マインドフルネスの練習は眠くなる?
本題ですが、マインドフルネスの練習をしていると、瞑想中に眠くなることがよくあります。これは、マインドフルネスを練習をしているほとんどの人が、「困ること」だそうです。
たしかに、正座瞑想を始めると、気がつくと意識が遠くなり、頭が「カクッ」として、はっ!!としたことが何度もあります。しばらく瞑想を実践していると、気分がとてもリラックスしてくることがあるのです。
この時、睡眠と起きている時の中間くらいをさまよっているような、心地のよい感覚に陥ります。
「考え過ぎて眠れない」ことから解放される
マインドフルネスは、自動的に生み出される考え、「自動思考」から解放される作業でもあります(というふうに僕は理解していますが)。深刻な不眠症に悩んだ方なら、眠れない大きな原因のひとつに、「余計なことを考える」「不安になることを考える」という悪い癖がありませんか?僕はそういうことがありました。
深刻な悩みだけではなく、たとえば、「早く眠らないと」「眠れなかったら明日どうしよう」という考えに囚われることなど。こういった、睡眠にとっても自分自身にとっても望ましくない自動的な考えを、マインドフルネスを実践することで手放すことができます。
僕はまだ、マインドフルネスを「習得した」と言えるようなレベルには程遠いです。それでも、毎日マインドフルネスを練習していると、眠る時間になった時に「余計な思考」を断ち切って、リラックスして眠れることが多くなりました。
実際にやってみると納得できるのですが、「なにも考えない時間」というのは、本当にリラックスできます。不安や緊張感のせいで眠れない人にとっては、マインドフルネスによって寝つきがよくなる可能性はとても高くなると思います。
地道な練習が必要なマインドフルネスですが、これを訓練していけば不眠だけでなく、日頃のストレスにも対処しやすくなります。ストレスや不安で眠れない。そういう悩みと根本的に向き合うためにも、やってみる価値は十分にあると思います。
寝る前、「布団の中」でもマインドフルネスを
心が落ち着かずに眠れないという時、眠る前に少し長めの時間をとってマインドフルネスを実践してみることをおすすめします。そして、布団に入ってからも、もう一度マインドフルネスを実践します。
目を閉じて、布団の中で「今ここ」に集中します。毛布の心地よい手触りや、布団に沈んでいく体の重力。呼吸に意識を集中します。余計な考えや不安な考えが浮かんでも、「今ここ」の感覚に、穏やかに意識を戻します。そうすると、意外にもリラックスして意識がまどろんできます。
マインドフルネスの練習のためには「寝ない練習」も必要
余談ですが、マインドフルネスをきちんと練習をするためには、練習中に寝ないようにすることも大切です。
というのも、思考が自分の意思に反して自動的に生まれ、思考に囚われる状況を観察するためには、やはり起きていなければなりません。インストラクターの方が言うには、どうしても練習中に眠くなったら、瞑想中に目を開けてもよいそうです。
マインドフルネスに一夜漬けはない
ということで、薬のような副作用の心配もないマインドフルネス。眠れない人にとてもおすすめなのです。
ただし、マインドフルネスの習得に一夜漬けはありえません。インストラクターの方の言葉を借りると、「期待」しないことも、マインドフルネスの重要なキーワード。
ここまで読んで、やってみよう!と思った方。マインドフルネスを実践するための書籍を1〜2冊ほど買って勉強してみるとよいと思います。ちょっと大きな書店に行けば、マインドフルネスの書籍がたくさん並んでいます。それから、マインドフルネスの講座に通うのも良さそうです。最近では、市民講座などで目にすることもありますね。
マインドフルネスは、快眠、ストレス対策、集中力向上など、良いことが多くあります。興味を持った方は、ぜひ実践してみてください。
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