ソニーのミラーレスカメラは、これまでα7を約5年、α6300を2年ほど使ってきました。そして先日、α7Sⅱを購入。新しいカメラを購入するのは約2年ぶりです。ようやくα7で使っていたフルサイズ用のレンズがフル活用できます。
しかし、なぜ今α7Sⅱなのか?最新のα7ⅲやα7Rⅲではない理由は?疑問に思う方もいるのではないでしょうか。僕の使用用途を考慮すると、どうもα7Sⅱが最も適しているのではないか?と考えたのです。
結果は、やはりα7Sⅱを購入して大正解だったと思っています。なぜ、今α7Sⅱなのか。その理由や、α7Sⅱのメリットやデメリットなどを、参考までに紹介してみたいと思います。
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なぜ今、α7Sⅱを選んだのか?
実は、僕自身α7Sⅱを購入する前まで、α7R3、α7ⅲの購入を検討していました。しかし、購入直前になって自分の使用用途をよく考えたところ、実はα7Sⅱが自分に適していることが分かりました。
高感度に強い「S」シリーズが必要だった
α7S、α7Sⅱは、ご存知の通り圧倒的に高感度に強いセンサーが搭載されています。単純にISO感度の上限が広いというのではなく、感度を上げても通常のカメラよりノイズの発生が少なく、ダイナミックレンジ(色の再現力)が広いという特性があります。
夜間の撮影に強いカメラ
最も重要視した点は、夜間や夕方など、暗所での動画撮影です。現在YouTubeでキャンプの動画を公開していますが、どうしても夕方や夜間の撮影が多くなります。
それから、星景写真や夜景のタイムラプス撮影など、僕が力を入れて撮影したい対象は明るい場所ではないことも分かりました。
高感度に優れたα7Sⅱなら、照明をたくさん持ち込まなくても夜間の動画撮影が容易に行えます。
ある程度ISO感度を上げてもノイズを気にせずに撮影できるということは、三脚や照明機材を減らすことにも繋がり、撮影の自由度も上がります。
高感度でも色潰れが起きにくい「S」
ダイナミックレンジの広さも重視した点の一つです。ダイナミックレンジが広ければ、暗所での撮影でも黒色が潰れにくく、日中に明るい空を撮影しても白飛びしにくいといった特徴があります。
実際に夜間に撮影してみれば、このメリットははっきりと体感できるレベルです。
初めてα7Sⅱで動画を撮影した時に、試しにISOを6400まで上げて撮影してみました。撮影環境や設定、レンズにも影響されますが、6400までISO感度を上げても、ほとんどそれと分かるノイズが発生することもなく、驚いたのを覚えています。
設定や環境次第ですが、ISOを6400以上に上げても明らかなノイズが発生しないこともあります。この点は、今後実際にテストして作例を公開していきたいと思います。
α7Sⅲの発売を待たない理由
高感度特性に優れた「S」が欲しかったわけですが、なぜ α7Sⅲの発売を待たなかったのか?という疑問を持つ方もいそうです。
カメラの発売時期に関する情報は、ネット上でもたくさんリークされています。それらを見る限り、どうもα7Sⅲの発売はもうしばらく時間がかかりそうです(2018年12月現在)。
もう一つは、次期に発売される予定の「ポストα7Sⅲ」は、ソニー担当者へのインタビューを読む限り、これまでの期待を上まる物を作る。つまり、高性能な製品になる(そのため開発に時間がかかる)そうです。
ということは、ただでさえ高価格なα7ⅲシリーズですが、さらに高い価格設定となる。α7Rⅲより高くなることは明らかです。α7Rⅲの相場が30万円程度(2018年12月現在)ですので、35〜40万近くになるのでは、と想像できます。
これはちょっと、すぐに手が出せる値段では無さそうです。
動画の撮影を重視した
YouTubeでの動画公開を本格的に始めてから、クオリティの高い動画撮影ができるミラーレスカメラを視野に入れていました。もし動画を撮影しないのなら、間違いなくα7Sⅱよりも価格の安いα7Rⅱを選んでいたはずです。
というのも、スペックを比較すれば分かる通り、画素数はα7Rⅱの方が遥かに高く、α7Sⅱの約4倍(4240万画素)に匹敵します。写真を大きく引き伸ばしたり、解像度の高い写真を撮るのならα7Rⅱの方が有利なのは明らかです。
しかし、明るさの少ない低照度下でノイズが少なく、色域の広い動画を撮影をするのなら、間違いなくα7Sⅱです。結局、動画撮影を中心に考えると、α7Sⅱは魅力的なのです。
実際にα7Sⅱを夜間に撮影した映像を以下に掲載しておきます。暗所での撮影は、ほぼISO6400以上。星空の撮影はISO12,000以上で撮影しています。
α7ⅱシリーズ「最大の弱点」をどう見るか?
最終的にα7Sⅱを購入しようと決めたわけですが、もちろんネックとなるポイントがいくつかあります。しかし、結局はデメリットを解消する方法を考えたり、そもそも必要の無い機能は「最初から諦める」ことで決断できました。
最大のネックはバッテリー
α7シリーズとα7ⅱシリーズに使われているバッテリー「NP-FW50」は、あまりにも容量が小さすぎます。これに対応するために、α7ⅲシリーズは、NP-FW50の約2.2倍の容量を備えるバッテリーが採用されています。
正直に言って、動画を撮影するユーザーにとってバッテリーの問題は大問題です。以前から言われていたことなので、今さらなのですが。
動画を撮影していると、すぐにバッテリー切れになってしまいます。実感としては、頻繁にRECボタンをオン・オフしながら撮影していると、2〜3時間でバッテリー切れです。
バッテリー問題をどう乗り越えるか?
以前の記事でも紹介しましたが、僕はNP-FW50バッテリーを、安価な互換品も含めて10個近く持っています。幸いなことにNP-FW50はサイズが小さいため、大量に持っておいてもそう場所を取ることはありません。
手持ちのバッテリーのうち、4つはα7、α6300、α7Sⅱを購入した時に付属していたもの。4つでは不安が払拭できないので、追加で購入しています。
動画の撮影には必ず手持ちのバッテリー全てと、2個同時に充電できるサードパーティー製のUSB充電器、モバイルバッテリーを持って行きます。
大容量のモバイルバッテリーと充電器があれば、たとえ手持ちのバッテリーが切れそうになっても、交互に充電できるのでなんとかなると考えたからです。
それから、いざとなればα7Sⅱはモバイルバッテリーから直接USBケーブルで給電しながら撮影できます。
今のところ、10個のバッテリー全てが無くなる事態は起きていませんが、丸1日を要する撮影なら10個では足りないだろうと思います。
タッチパネルディスプレイが非搭載
続いて、α7ⅱシリーズでネックに感じたのが、タッチパネルディスプレイが非搭載ということ。α7ⅲシリーズや他社製のカメラには、最近ではタッチパネルディスプレイは当然のように搭載されています。
個人的に、タッチパネルディスプレイが非搭載ということよりも、タッチフォーカス機能が使えないことがデメリットに感じました。
動画を撮影する際に、フォーカスを画面をタッチして合わせられたら、やはり便利だろうなと思います。
しかし、ここは単純に「あった方がいいけど、なくても良いよな?」と割り切ってしまいました。
この点は、ネックというよりもα7ⅲシリーズと比較すると、機能的にとても劣っているような気がして心が揺れる部分です。
最新の機能や、操作性
この他にも、最新のα7ⅲやα7R3と比べれば、機能的に劣る部分はたくさんあります。
わかりやすいところで言えば、先に説明したように、α7ⅲシリーズは新しいバッテリーやタッチパネルの採用があります。この他にも、ダブルカードスロット(SDカードが2枚入る)や、液晶画面の横にマルチセレクター(ジョイスティックのようなボタン)が搭載されていたり。
分かりにくいところでも、カスタムボタンの割り当て数が増えていたり、メニュー画面が刷新されていたりと「あったらいいな」機能がたくさん搭載されています。
しかし、ここは冷静になる必要があると思いました。新機能を追い求めていくと、極論、新しいカメラが発売されるたびに欲しくなってしまいます。
僕が今、ミラーレスカメラに必要とするのは、登山や星景写真に持ち歩くためにサイズが小さく軽いこと。高いクオリティーで動画が撮影できること。暗所での撮影がこなせること。そうやって絞り込んでいくと、α7Sⅱは充分で、要件を満たしています。
α7Sⅱを実際に使ってみた感想
これまでα7とα6300を使っていた僕にとって、これまで使っていたα7とは全く別のカメラに感じたことは言うまでもありません。
本来なら、画質や高感度性能に驚くのでしょうが、それ以前にグリップ感、処理速度、各種ダイヤルやファインダーアイピースの質感向上に、まず驚きます。
夜間の動画撮影では、これまで使ってきたカメラでは見ることのできなかった、別の世界が見れる感動があります。
キャンプをしている時に、照明を使わずに自然な炎の美しさを撮影できることは、なんとも言えない心地良さを味わえました。少しシャッタースピードを落とし、ふたご座流星群を動画に捉えた瞬間、思わずその場で声を上げるほどの喜びです。
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しかしまだまだ、α7Sⅱの本領は発揮できていません。4Kの撮影も試していませんし、S-log(グレーディングに適した広い色域、ダイナミックレンジでの撮影)も試していません。
α7Sⅱを使いこなし、動画のレベルを上げる努力を追求してみたいと思います。星景写真や夜間の撮影など、興味がある分野の撮影も積極的にテストして、ブログでお伝えしていければと思います。
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